アフタヌーンティーコンサート 2016/2/28

Bonjour! Comment ça va?
2016年第2弾のパレスサイドホテル・シリーズコンサートのテーマは、フランスです!

皆さんはフランスというとどんなイメージをお持ちですか?
私は個人的にこの国がとっても好きなので、コンサートの1週間前くらいから、勝手にわくわくしていました(笑)。そして、レポートがついつい長文になってしまいますがお許しください。”(-“”-)”

フランスといえども、今回のコンサートは、クラシックとシャンソンが同時に聞ける、豪華な組み合わせです。ジビエとクロワッサンとカヌレが同時に食べられる、といったところでしょうか(^-^;。

まず第1部は、クラシック。
ドビュッシーから小組曲、「ゴリウォークのケークウォーク」、ビゼーから「子供の遊び」などをピアノの連弾で届けてくれました。ピアノの音自体が、自由で、軽快で、無邪気に遊びまわる子どものようです。予想できない動きの連続。「あぁ子供のころはそんな時代もあったなぁ」という哀愁的諦めではなく、皆が持っている無邪気さ、大人になった現在にも通じる子供心、そんなことを感じさせるメロディでした。
一転して「亜麻色の髪の乙女」と、「亡き王女のためのパヴァーヌ」は、消えそうな静かさと切なさのある、しっとりした世界。ピアノにバイオリンが加わり、あの有名な主旋律を弾いてくれました。よく知られた曲ということもあってか、頷きながら浸っているお客さんが多く見られました。

さて、連弾というと、同じ楽器を複数人で弾けるのはピアノならではの特徴ですよね。MCではそれを「同居人」と喩えてくれましたが、お互いに勝手が分かる人でないと上手く弾けないそうです。本日のピアニスト、工藤さん、関さん、そしてヴァイオリニスト藤本さんは、何と同じ堀川音楽高校の同級生。仲良しこその、絶妙な空気感とチームワークが奏でる、ぴったり息のあった演奏でした。

第二部は、がらっと世界が変わり、シャンソンの時間です。♪
ヨーロッパを旅行した人なら誰しも、通りや公園でアコーディオンやバイオリンなどの楽器を気ままに演奏している人を目にしたことがあると思います。まさに今日の前奏のアコーディオンでの音は、一気に私たちをお洒落なパリの街へ連れて行ってくれたようでした。

「バラ色の人生」「毛皮のマリー」「ろくでなし」「オーシャンゼリゼ」など14曲、ヴォーカル こじまみよこさんの歌声に乗せて、たっぷりとシャンソンの世界を届けてくれました。第一部のクラシックが宮廷サロンでの催事であるなら、シャンソンは対照的に、街角のカフェかバーで楽しむ音楽といったところでしょうか。フランス版演歌、とも言えるシャンソン。気軽に、思わずメロディを口ずさんでしまうような楽しさがあります。観客の私たちも一緒に、手拍子や腕を振ったりして盛り上がりました。

ヴォーカル こじまさんは4歳から歌を続けられているそうですが、本当にシャンソンの世界観にぴったりとそぐう魅力ある声です。透明で、奥行きがあり、時にハッカ飴のように鋭く‥‥私は、これ程言葉で美を表現するのが難しい「音」に出会ったのは初めてでした。

先程シャンソンのことを<フランス版 演歌>と書きましたが、「サンジャンの私の恋人」「恋人」など恋愛をテーマにした曲が多く、こじまさんの歌声と共にたっぷりと雰囲気のある恋心を届けてくれました。
ただ、その「恋」は決して悲観的ではなく、どの曲でも、強い女性の姿が歌われているようでした。燃えるような甘い恋でも、虚しくなるような失恋でも、常にそこには、どこか一歩引いて、楽に、心から人生を楽しんでいる、強い姿がある気がします。
この点がまさに、「フランス」らしさですよね。
フランス音楽は、お洒落で、粋です。
綺麗ですが、それは、自信と肯定感に裏打ちされていて、単なる表面的な美しさではありません。きっと、ある程度の芯の強さがあるからこそ、たまに見せる弱さや優しさ、けなげさが美しく映るのだと思います。
ふと音楽を口ずさむような楽な心持ちになること、美しさとお洒落を楽しむこと。人生や恋を楽しむこと。まだまだ寒く、猫背がちになりやすい2月ですが、背中がしゃんと伸びるような、マスカラと口紅を塗って颯爽と歩けるような(女性の皆さん、分かってくれますか??(笑))、そんなメッセージと力のあった、今回のコンサートでした。

余談ですが、演奏後のインタビューでは「シャンソンって初めて聴いたけどなかなか良かった!」という声が多かったです。これを機にシャンソン人口が増えますように‥!♪

出演
ピアノ 工藤宗子 関みゆき
バイオリン 藤本信行
ヴォーカル こじまみよこ
アコーディオン 宇根章浩
ベース 森田二郎

(レポート byちあき)
 

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