ピアノトリオ三昧
2015/02/06

 第一部は王道、ヘンデル、チャイコフスキー、メンデルスゾーン。

 くるみ割り人形は言わずもがな有名なメロディ。聴いている皆もとても楽しそうで、寒い寒い2月の夜が、一気に華やいだ雰囲気になりました。メンデルスゾーンのピアノトリオは、出だしから大きな迫力。この曲はピアノの難易度が高いらしく、これが済むとピアニストは もうぐったり(笑)だそうですが、分厚くて重層的で、圧巻でした。

 今日の目玉はなんといっても第二部、バロック。
バロックバイオリンの音は、不思議で魅力的‥‥少しくぐもったような、柔らかい音色。特にヘンデルのソナタは流れるようで、とても優雅です。

 ここで恒例の豆知識コーナー。
バロックバイオリンと、現代のバイオリンを実際に並べて皆に見せてくれました。普段、古楽器を直接見る機会なんてあまり無いですし、皆、へぇーー!と、食い入るように見比べていました。

「問題です。この二つの楽器、どこが違うでしょう?」

‥‥これを読んでくださっている皆さん、すぐに答えが思いつきますか?

外見上一番わかりやすい違いは、バロックバイオリンの方は顎あてが無いこと。次に、弦の材質の違い。今の弦はナイロンなどの素材に金属を巻いて出来ていますが、昔はテニスラケットに使われているようなガット(羊の腸)をむき出しのままで張って使っていました。
この2点の変化が表しているのは何でしょうか?
「楽器がより大きな音を出せるように改良された」、ということです。音楽の担い手が一般市民に広がり、大きなコンサートホールでも鳴り響くように作られていった。それ以前、バロック時代の音楽は貴族中心であり、石造りの宮廷の良く響く部屋で披露される分には、それ程大きな音が出せる必要性はありませんでした。そういえば、バロックバイオリンには楽器自体にも少し装飾が施されていて、いかにも豪華絢爛な宮廷を想像させますよね。華やかな音を聴いていると、当時にタイムスリップしてみたくなります!

 締めくくりの第三部は、ポップスをピアノトリオで。一口にポップスといえども、音楽で日本、京都、ヨーロッパ、南米と、国を越えて各地に連れて行ってくれました。懐かしい曲もあって、頷きながら聴いているお客さんもたくさん。既に知っているメロディでも、バイオリンやチェロの音色で聴くと新鮮ですね。

今回は、全く違う3つのジャンルの音楽を一気に聴け、
そして、音楽史の豆知識も含んだ、かなり盛りだくさんなコンサートでした!!☆
(レポートby ちあき)

出演:
ヴァイオリン&バロックヴァイオリン 藤本信行
チェロ 桜井裕美
ピアノ&チェンバロ 工藤宗子

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